俺にしときませんか、先輩。
「…ふっ、」
必死に画像から目を逸らす由都が初めて見るような顔をするから、思わず吹き出してしまった。
しかも、叫び声までヘンだし。
うぎょって。
「先輩」
「ごめんごめん、あはははっ」
暗がりのなか笑い声が響いて不気味になるけれど、もはやそれすらもおかしくなってくる。
「早く行きますよ」
「なんで、ゆっくり行きたいんでしょ?」
「…先輩!」
「ふっ、はいはい」
もう…と少し拗ねてしまった由都と、ふたつめの角を曲がった。
次に現れた道は、ふさふさのなにかが床に敷いてあって、引っかかって転んでしまいそう。
慎重に……ゆっくり……。
「うわあっ」
……そううまくはいかなかった。
足と呼吸を合わせたつもりが、結局引っかかって膝が折れてしまう。