俺にしときませんか、先輩。
「もう、やめよ」
呼吸をゆっくり吐き出す。
冷静に見えるように。
戸惑いも悟られないように。
「え…?」
由都はわけがわからないといった表情だ。
そりゃそうだろう、こんな脈絡もなにもない終わりの告げ方をしたんだから。
「恋愛相談、やめにしよう」
「……急になに言い出すんですか?」
「ほら、この間言ってたじゃない、告白するんでしょ? それならそろそろ相談やめてもいいかなーって」
できるだけ明るく見えるように振る舞う。自然に、さらっと。
いつもの私はこんなかんじのはずだ。
「告白応援してるから、頑張って」
それだけ言って帰ろうとしたら、また由都が行く手を阻んできた。
かばんの紐を握っていた指先がはらりと落ちる。
「……本心ですか」