俺にしときませんか、先輩。
なんだ、すでに仲良い子だったんだ。
それなら、そう言ってくれればいいのに。
見つめすぎていたのか、カチと目が合ってしまい、由都は少し驚いた表情。
……なに、好きな子ばれちゃって焦ってる?
まあ私もこんなに早くお目にかかれるとは思ってなかったけど。
すぐに逸らされると思っていた視線は交わったまま、由都がこっちに近づいてくる。
「おはようございます、先輩」
「お、おはよう」
普通に話すの?私たち。
この間までとくに接点もなかったのに。
ほらね、隣にいる沙葉だって驚いて…
「由都、私が見えないの」
「あー、いたの、姉ちゃん」
「いたよ!」
……ちがった。
気づかない由都に文句があるだけかい。
普段ならツッコミを入れるとこだけど、今は、いちいち説明しなくて済むから、沙葉の鈍感さがありがたい。
「身長低くて気づかなかった」
「こら!チビネタでからかうのやめてっていつも言ってるでしょっ」
「はいはい、ごめんね」
「んもうっ」