俺にしときませんか、先輩。

見てきたからわかるけど、新谷くんはたぶん、心から沙葉のこと大事に思ってる。

だっていちいち向ける視線がさ、新谷くんに好意を寄せる子を諦めさせるくらい、すごい優しいんだもの。



「先輩は、ああいう人がタイプですか？」

「んー、そうかも。
新谷くんみたいなっていうか………私は、一途な人が、いいかな」



はーあ、運命とかあるんだとしたら、どこにいるんだろ、私の相手は。

恋愛の神様が頭上にこの人だよーって矢印でもつけといてくれたらいいのに…なんてね。



「俺、一途ですよ」

「うん？」

「めちゃくちゃ一途で、その人しか見ない自信、あります」



ぶれない瞳は汚れなんて一点も見当たらなくて、あーほんとなんだろうなって私に思わせる。

けど、



「由都はアピールする相手がちがうでしょ」



私にしてどうするの、私にして。


軽く笑ってそう返すと、なぜかため息を吐いた由都が、これまた優しく笑った。



「…そーですね」