俺にしときませんか、先輩。
由都side
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机の上に突っ伏して短く息を吐く。
自分だけの領域として囲った腕のなかでやり過ごそうと思っていた感情はいつものように失敗に終わった。
後ろで笑いを堪えてる2人組を睨む。
「俺、一途ですよ………くっ、」
「っ…やめとけよ、けーすけ」
「だってさ、由都の足見た?
目は真剣なのに、足はガクガクでっ…く、あはははは」
「…そうだな、足は震えてたな」
「ね?俺、あれ、あまりに面白くて、膝カックンしようか一瞬迷ったくらいだもん」
「そのへんにしとかないと、マジで……怒るよ」
好き勝手言う2人にそう言い放つと、どっちも口を引き結んた。
だけど、変わらず頬は伸びきっているんだから気分は良くない。
「……そんなに、変だった、?」
「いやー、まあ、先輩は足震えてんの、気づいてないっぽかったよ。
だいたい、由都はミステリアスのイメージで通ってんのに、先輩相手だとああまでなるの、ちょーうける」
今日一笑ったわ、と反省の色すら見せずに膝を叩いているけーすけ。
その隣でイスに軽く腰掛けている大雅(たいが)。
2人とは中学の頃からの仲で、いつもおちゃらけた態度のけーすけと堂々としている大雅は、俺にとって居心地のいい存在ではある。