俺にしときませんか、先輩。

芙紗奈side








6限目の授業が終わったところで、はっと顔をあげた。


そーいえば今日って……水曜日じゃん。

朝から由都に会ったって言うのに、すっかり頭のなかから抜け落ちてた。

時間が経つのって早い。



てっきり、お悩み相談みたいなかんじで、話を聞いたりするだけだと思ってたのに……。

私は先週の手繋ぎゲームを思い出す。


由都ってほんとに、あんなに大きかったっけ…?

年下とはいえ、手を繋ぐっていうのは、さすがにちょっと気まずくはあった。


あのゲーム、結果だってよくわかんない。

結局、片方が逸らしたらダメなのか、それとも両方が逸らしたらダメなのか。

そこまで真剣に聞くのもなんかヘンな気がするから、やめたけど。




「サナちゃん、今日もまだ学校に残る?」


水曜日に気が取られていた最中、横から沙葉が声をかけてきた。



「もしそうなら、わたし、その……新谷くんと帰ろうかな、とか…」
< 35 / 214 >

この作品をシェア

pagetop