俺にしときませんか、先輩。


「先輩はかわいいです」

「しつこい!わかったって」



必死で頬の熱を冷まそうとしているのに、追い打ちをかけてくる由都は嘘をついてるようには見えなくて。

それが余計に『かわいい』って言葉を意識させる。



由都め、いっけないんだ。

捕まえたいとまで言ってたほどの好きな子がいるくせに、ほかの女子にかわいい責めなんて。



「お腹減った、アイス食べよ」

「さっきパン食べたでしょう」

「それでも減ったの!」



気持ちをリフレッシュさせるために、少し先に見えているアイスの自販機に向かう。


人生初のかわいいに戸惑ってる自分、子供すぎる…。


ため息を吐きながら目に入ったストロベリー味のボタンをへこませると、その斜め上に大好きな味があって、うわあ…ってちょっと後悔。


「抹茶、あったんだ…」
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