俺にしときませんか、先輩。


そうだ、沙葉の家だから、当然、弟の由都もいるわけで…。

ていうか、今、若干覗いた腹筋……結構割れてた………って、そこはどうでもいいでしょっ。


暑さでヘンなことを考える頭に一瞬だけ目をつむる。

すると、なぜか由都が慌てだして。



「お、俺、べつに寝起きとかではなくて」

「うん」

「今から着替えるつもりで」

「ぷっ」

「……なんで笑うんですか」

「だってどう見たって寝起きじゃない」



はねるのかさえ疑わしいサラッとした髪が反対に曲がってるし。

だぼっとしたパンツに薄手の白シャツは明らかに寝起きのもの。




「先輩来るなら言ってよ、姉ちゃん」

「由都に関係ないでしょ」

「…そうだけど。ていうか、これから、俺の友達も来る」

「そうなの?」

「うん」


部屋汚さないようにねーと言う沙葉にわかってると言う由都。

サナちゃん行こ、と手を引かれ、私はいつもの2階にある沙葉の部屋に入った。
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