俺にしときませんか、先輩。

由都side







残り少ないレモンスカッシュの入ったコップを片手に、やってしまった…と、そう思った。

深く息を吐いたのに、ちっとも薄れてくれない後悔。



……ぜったい変に思われた。

かも、とかじゃなくて、確実に。


押し倒すとか、なに考えてんの、俺。



あー…と頭を抱えてもう一度ため息をつくと、机の上の携帯電話が通知を知らせる。

先輩かもしれないと思い、素早く手に取った。



『由都くん、今週の土曜日とか空いてる? あの、クラスの何人かでカラオケ行くことになって、由都くんもこない? 友達も一緒でいいからさ』



なんだ、水戸か。

メッセージを見て落胆する。


そもそも中学も一緒の水戸は誰から聞いたのか、俺の連絡先を勝手に知っていて、こうしてくるメッセージは少なくない。
< 99 / 214 >

この作品をシェア

pagetop