笑顔でありがとう
私の想いは3度目の手紙で届いた。今でも何故受け取ってくれたのか分からない。彼は全て知っていたのかなぁ?私が最後の告白と決めていた事・・・入学して3ヵ月、繰り返しの日々にも慣れいつの間にか明日を迎える、そんな生活だった。退屈な一日の中で私はあの人を見つけた。彼は野球部。夏の太陽の下で、キラキラ輝いているように見えた。帰り道、私はその姿をわざとゆっくり歩きながら見ていた。それが唯一の楽しみ。あの人は、全然気付いてくれないけど・・・毎日、毎日あなたを見てるのに、こんなに存在をアピールしてるのに、こっちを見てよ!私はこの想いを伝えたくてあの人の友達に手紙を託した。
手紙にはあえてアドレスと名前だけしか書かなかった。一つの事に一生懸命なあの人だからたぶん読んでくれないだろう・・・少しだけ期待しながら。その夜は携帯を窓際に置いて待っていた。サンタを待つ子供のように・・・
目覚ましが鳴り、いつもは寝起きの悪い私、今日は飛び起きた。祈るように携帯を見た。メールは無かった。
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