笑顔でありがとう
『なぁに?』その場の沈黙をかき消すために出した精一杯の声。すると・・・【手紙、ありがとな!】 何で今回に限って?それに手紙まだ見てないじゃん
便箋のシールはがれてない!と心の中で思った。
『うん!後で絶対読んでよ!』
【わかった!また明日な】照れ臭そうに彼は足早に去っていった。
初めての交わした言葉。
嬉しくてたまらなかった。でも、このボールは何の意味?・・・あっ!彼がくれたボールを見ると、そこには携帯番号とアドレスが書いてあった。あの人がこんな事するなんて・・可笑しくてつい笑顔がこぼれた・・・・
いつかの帰り道。彼と一緒に帰ってる時、私はどうしても聞きたい事があった。『ねぇ、どうして付き合うことOKしてくれたの?
それも3度目で。』
【いいじゃん!何度目とかは!俺も気になってたからおまえの事】
何それ?答えになってないよ!そう思いつつ、それ以上は聞かなかった。今があればそれでいい。夢のような二人の現実がここにあるから。 第一部 〜完〜
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