双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
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【蒼斗side】

今日の夜は久々に柚希たちに会える。俺の心は高揚していた。車を職員駐車場に置いて車を降りた。

冷たい空気が肺を刺激する。すっかり朝晩冷え込む季節になったな。

外科医の朝は早い。院内に足を進め更衣室にて白衣を着て仕事モードへと頭と心を切り替える。そして病院スタッフと挨拶を交わしながらカンファレンスルームへと足を進めた。

午前八時には病院スタッフを集めたカンファレンスが始まる。

「それでは鳴宮先生、お願いします」

「はい」

席を立ち、マイクを受け取り俺は説明を始めた。

「それではスクリーンをご覧ください。患者は小笠原敬さん。五十四歳。基礎疾患はなし。大動脈弁輪拡張症を発症。大動脈基部を拡大すると、バルサルバ洞が洋梨状に拡大しているのが見受けられます」

俺の説明に合わせて研修医がスクリーンを操作し、連携を図りながら術式の説明へと話を進めていく。
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