双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
それは家に戻ってからも一緒だった。息子たちと一緒にハンバーグを作り始めたが、気持ちがソワソワとして落ち着かない。

あれは見間違いだったと信じたい。

が、あんなに似た人がいるだろうか?

こんなにも気になるならば、帰ってきた本人に確かめればいいのだろうが、嫉妬深い女だと思われたくないという変なプライドがあって、聞けずに終わりそうだ。

「ママ、にくコネコネおわったよ」

「ママってば!」

「あ、ごめんごめん。じゃあ次は、お肉を丸くこんな感じにしてここに並べてくれる?」

「はーい」

なんだか調子が狂う。

さっきからずっと時間と携帯ばかり気にして料理に集中できずにいた。

ひととおり料理が完成し、息子たちはとても満足げにダイニングテーブルに並ぶハンバーグを眺めている。その一方で私の胸のモヤモヤは増すばかりだった。

「パパそろそろかえってくる?」

優斗が私の顔を覗き込んだ。

「ん~。どうかな。連絡して聞いてみるね」

さっきからふたりにこうせがまれ続けていた。予定ではもうとっくに帰ってきている時間のはずだが、蒼斗さんは帰って来ない。
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