双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
「優斗、パパたちシノさんとお話しがあるから、ちょっとそこのブランコで遊んでいてもらえるか?」

「うん。わかった!」

「どうしてこの場所が分かったのですか?」

ベンチに座ってこちらを見ていたシノさんに近づくと、宙で視線が絡まった。シノさんは逃げる様子も慌てる様子もない。その瞳はどこか悲しげに見える。

「娘さんに聞いたんです」

「彩乃に?」

その名を聞いて明らかにシノさんが動揺を見せた。

「はい。ここは彩乃さんが初めて歩いた、想い出のある公園なんですよね? 東雲さんが思い悩むと、ここに来るのだと彩乃さんが電話で言っていました」

「……」

「なぜ優斗を連れ出したのですか? 柚希への脅迫行為や旅館への嫌がらせもあなたの仕業ですよね?」

「そうです。許せなかったんですよ」

しっかりとした口調でシノさんはそれを認めた。

「許せなかった?」

「四年前もっと早くに見合い話が進んでいれば、君の父親が取引先を替えることもなく、私自身会社を失わずに済んだんだ。彼女の存在がなければ、事がスムーズに進んでいたはずだった」

シノさんが私をまっすぐに見つめる。
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