双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
「今日のカンファレンスのときの鳴宮先生と少し話したんだけど、やっぱりカッコよくて胸がときめいちゃった。仕事に向かう姿勢も真摯で尊敬しちゃう」

「本当にストイックよね。ほら、こないだの椎名さんのオペ。夜勤明けだったのに自ら希望をして執刀したんでしょ? タフよね」

蒼斗さんはナースたちにも評判がいいらしい。それにしても夜勤明けの疲れている中、父の手術を執刀してくれたなんて。思わぬ形で裏事情まで知ってしまった。

なんだか申し訳な……

「また会ったな」

聞き覚えのある声が真横から届き、自然と意識がそちらへと流れた。

「あお、鳴宮先生……」

二度目の再会はまたまた不意打ち。思わず〝蒼斗さん〟なんて言ってしまいそうになり慌てて言い直す。

「お父さん今日、退院だろ? 迎えに来たのか?」

「はい。その節は父が大変お世話になりました」

普通にしなきゃ。

とにかく必死に自分自身にそう言い聞かせてみるが、身体は言うことを聞いてくれない。
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