双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
***

「蒼斗くん、柚希さん。本当にすみませんでした。これから警察に行ってきちんと罪を償ってきます」

シノさんが深々と頭を下げた。

「私が責任を持って父を警察署に連れて行きます。本当にすみませんでした」

彩乃さんの目は真っ赤だ。きっとものすごく複雑な心境だろう。

彼女にとってシノさんは大切な存在。それでもこのようなことをしでかしてしまった責任をきちんと償わせようと、心を鬼にしての発言だと思われる。

シーンと静まり返ったその場。冷たい風が頬を通り過ぎていく。

「東雲さん、顔をあげてください」

その静寂を破ったのは、蒼斗さんだった。頭を下げるシノさんのもとへと歩み寄り、かがんでそっと彼の肩に手をかけた。

「彩乃さんの想いに免じて今回はあなたがしたことを許します」

「え?」

シノさんが大きく目を見開く。

蒼斗さんの発言は予想外だったのだろう。
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