双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
蒼汰と優斗はエレベーターから見える外の景色に興味津々で、ずっと外の景色を見ていた。

エレベーターが最上階に着きドアが開くと、その階専用のコンシェルジュによって部屋へと案内された。

──トントン

「はい」

部屋の中から返事をしたのは、恐らく蒼斗さんの父親だろう。ついにこのときが来たのだと、鼓動が速くなっていく。

「蒼斗様たちをお連れしました」

「どうぞ」

重厚なドアが開き、視界がひらけたその先に蒼斗さんのご両親の姿があり、私たちの姿を確認するとふたりとも席から立ち上がり、こちらに向かって会釈するのが見え反射的に会釈を返す。

「待たせてしまってすみません」

「いいや。私たちが早く着きすぎただけだ」

蒼斗さんのお父さんと会うのは実に四年ぶりになる。あのときとは状況が違うけれども、脳裏にこびりついた記憶が蘇ってきてどこか身構えてしまう。

「今日は時間を作ってくれて感謝するよ」

「こちらこそ、このような機会を与えてくださりありがとうございます」

私ちゃんと笑えているだろうか? きっとぎこちなさが全面に出ているに違いない。
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