双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
私たちの微妙な距離感を感じ取ったのか、子どもたちはキョロキョロと私と蒼斗さんのご両親を見て様子を窺っているようだ。

普段騒がしい蒼汰でさえ、大人しく私の手を握ったままだ。

「ふたりともじぃじとばぁばにご挨拶をして」

「……」

蒼斗さんの言葉にも応えようとはせず、だんまりを決め込んだまま。

ふたりが困惑してしまっているのは、私のせいだ。とにかく、私自身が普通にしなくては。

「蒼汰くんと優斗くんね。初めまして。かっこいいお洋服ね。とっても似合っているわ」

微妙な空気感を破ってくれたのは、朗らかな雰囲気を纏う蒼斗さんのお母さんだった。蒼汰と優斗のもとへと歩み寄り、ふたりに話しかけてくれたのだ。

「パパのママなの?」

「ええ。そうよ。ずっと蒼汰くんと優斗くんに会いたかったから、今日はとっても嬉しいの」

蒼斗さんのお母さんは蒼汰の質問にやわらかく微笑みながら答え、ふたりの頭を優しく撫でてくれた。

「しいなそうたです。こんにちは」

「蒼汰くん、よろしくね」

「ゆうと……です」

「優斗くん、お名前を教えてくれてありがとう」

蒼汰に続き、優斗も恥ずかしそうにしながらも自己紹介してくれてほっと腕を撫で下ろす。

「立ち話もなんだから、ひとまず座って食事にしよう」

「そうね。そうしましょう」

ご両親に促され向かい合う形で席についた。
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