双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました

「息子の将来を盤石にしたい。その一心だったのだ。そのために、少々手荒なこともしてきた。その結果、人に恨みを買うことも当然あった」

私も親になったから、蒼斗さんのお父さんの気持ちはよく分かる。

私もひとり親というハンデの中で、息子たちになに不自由なく育ってほしいと願い、環境を整えようと必死だったから。

まして大病院のご子息ともなれば、もっともっといろんなプレッシャーや問題が押し寄せてくることは予想がつく。

その弊害を少しでもなくしてやりたいという親心が、ああいう行動に走らせたのだろう。

「今回、蒼斗の強い想いや妻の助言、そして東雲さんの一件で私がしたことは間違いだったのだと気づいた。盤石な基盤を気づき巨大な力を得ることをよりも、蒼斗にとっては大切な人と歩む未来こそがいちばの幸せなのだと。今日、改めてそれを思わされたよ」

「改めて思わされた？」

「ああ。あんな風に幸せそうな顔をする蒼斗を久しぶりに見た気がする。柚希さんや蒼汰くん、優斗くんを見つめるまなざしは、本当に穏やかで嬉しそうだった」

「お義父さま……」

込み上げてくる様々な想いに耐え切れなくなったのだろう。お義父さんの目には光るものが見える。