双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
子どもたちを両親に任せ、蒼斗さんとふたり桜並木を歩く。

「柚希……」

幻想的な桜色の世界にうっとりしていると、蒼斗さんが私の名を呼んだ。

「どうしたんですか?」

「こっちに来て」

蒼斗さんがふわりと笑いながら私の手を引く。

「蒼斗さん、両親に見られたら……」

「ちょうど木の陰で見えないから大丈夫だろ」

気づけば彼の腕の中にいて、ギュッと抱きしめられていた。

今日はいつも以上に甘えモードの彼。クスッと笑いながら戸惑い気味の私の頬を優しく撫でた。

「あのときもう一度、俺にチャンスをくれてありがとう」

「蒼斗さん……」

「もう一生離さない。ずっと隣で笑っていてほしい」

「私も同じ気持ちです」

顔を赤らめながらそう答えると、蒼斗さんは柔らかく笑い私の身体を解放した。

そしてスーツのポケットからなにかを取り出して、私の前に跪いた。
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