双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました

それから数時間あまり。

茶房では父を囲んで食事会が始まり、父は楽しそうに談笑中だ。母と仁紀は父の友人たちの席を周りながらお酌中。人懐っこい蒼汰は、父の友だちに抱っこされ上機嫌だ。

その一方、人見知りの優斗は私にぴったりとくっついて離れない。同じように育ててもこんな風に性格の違いが出てくるのだから子育ては奥深い。

「優斗、たまごのお寿司食べる？」

「うん。オレンジジュースものみたい」

「分かった。じゃあオレンジジュース冷蔵庫から取ってくるから、ここでお寿司を食べて待っていてね」

「はぁーい」

優斗が大好きな卵のお寿司を食べ始めたのを確認すると、私は席を立ち茶房の厨房へと向かうことにした。

と、グラスにオレンジジュースを注いでいると父たちのいる方から歓声が上がったことに気が付いて、なにがあったのかと気になった。

慌ててオレンジジュースの入ったカップをトレーに載せ茶房の方へと戻り、暖簾(のれん)をくぐった。