双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
父の経営する旅館への嫌がらせが始まったのだ。定かではないが、タイミング的に蒼斗さんのお父さんが関係しているのではないかと、今でも思っている。

そのことで旅館の経営は厳しいものとなり、私に選択の余地はなかった。

それが、私が蒼斗さんに別れを告げた本当の理由。

あのとき私は『他に好きな人ができた』と言って彼のもとを離れた。

別れたあとに妊娠が発覚し、私は彼に内緒で蒼汰と優斗を産んで今に至る。

ひとりで育てていくと決め、今まで必死に突き進んできたのだ。

それなのに……。

久しぶりに私の前に現れた彼は、私の領域に踏み込んできて心をこんな風に乱してくる。
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