双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
「一人前の医者になり帰国したときに柚希に想いを伝えられる状況であるならば、柚希に会いに行こうと思っていた。その矢先、ああいう形で柚希と再会して驚いたんだ」

あのときまったく動じていないと思っていたが、やはりあの予期せぬ再会は蒼斗さんにとっても衝撃的だったんだ。

「蒼汰くんと優斗くんは、俺たちの子なのだろう?」

「……」

「別れる直前、君は体調を崩し吐き気に襲われていることが多々あった。それがつわりの症状で妊娠初期だったと仮定すれば、今その子供は三歳くらい。なによりふたりは俺の幼少期に顔がそっくりだ。会ったときにピンッときたんだ。お願いだ、本当のことを言ってくれ」

もうここまでくれば、どれだけ取り繕っても秘密を隠し続けることは不可能だろう。

彼の性格からすると、どんな手を使っても真実を知ろうとするはずだ。

「……そう、です」

「やはり、そうか」

彼は納得したようにコクンコクンと何度もうなずく。

「今まで知らずにいてすまなかった」

そして、私に向かって深々と頭を下げた。
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