双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
「はぁ……。もうどうしたらいいんだろう」

机の上に顔をうずめた。

「なになに? ため息なんかついちゃって。恋の病?」

ん?

頭上に響いた聞き覚えのある声。その声の主は仁紀だ。

顔をあげてキィッと睨めば、仁紀が楽しげにくすくすと笑う。

「ふてくされた顔ばかりしていると、しわが増えるぞ?」

「まったく誰のせいで私がこんなに悩んでいると思ってるのよ!」

「さぁ、誰だろう?」

「あんたが余計なことをしたからじゃない」

ついつい声を荒げてしまった。

そもそも仁紀が父の退院祝いに蒼斗さんを呼ばなければこんなことにならなかったのだ。

もっと言えば、弟が私の連絡先を勝手に蒼斗さんに教えなければ連絡が来ることもなかったのに。

仁紀は蒼斗さん側のスパイなの? そう思うくらいの行動をみせている。
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