双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
「だって鳴宮先生、姉ちゃんに気がありそうだったから。それに姉ちゃんだってまんざらでもなさそうだし。出会いがない姉を心配して、心優しい弟が出会いの場を提供してやったのだから、感謝してほしいくらいなんだけど?」

「はぁ?」

まったく悪そびれることもない仁紀にブチ切れそうな勢いだ。

「姉をこんな風にからかって楽しいの? そもそも私はシングルマザーで恋愛とか難しい立場なの。蒼汰と優斗を育てるのでいっぱいいっぱい。ふたりの気持ちを考えたら軽々しくデートだの……」

「ふたりのことを姉ちゃんが本当に大切に思っているならさ、父親に会わせるべきだと思う」

「え?」

仁紀の顔がいきなり真顔になり、私を真っ直ぐに見つめる。まさか仁紀は蒼斗さんが蒼汰と優斗の父親だということを知っているの?

「ふたりの父親は、鳴宮先生なんだろう?」

仁紀の言葉に顔が強張った。
< 50 / 171 >

この作品をシェア

pagetop