双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
***

「すいぞくかん楽しみね~」

「蒼汰はペンギンをみたい!」

「うんうん。今日は思いきり楽しもうね」

電車の窓からまだかまだかと外を眺める息子たち。向かう先は、隣町にある水族館だ。そこで蒼斗さんと落ち合うことになっている。

つまりは蒼斗さんの誘いに乗ったというわけだ。

蒼斗さんは最初自宅まで迎えに来てくれようとしたが、両親や近所の人の目があるためにそれを断った。

「スーパーマンに、あえるのたのしみ」

蒼汰がニコリと笑って私を見た。蒼汰の中で蒼斗さんは、大好きなじぃじを救ってくれたヒーローで、戦隊もので言えば赤レンジャーみたいな存在らしくとても気に入っている。

アップルジュースのお礼だという名目で、今日は蒼斗さんも一緒だと伝えてある。

「ママ~、あおとせんせいはやさしい?」

一方の優斗は、あのとき寝ていたためアップルジュースの件を知らない。

父の退院祝いのときも少し顔を合わせだけで、蒼斗さんとはあまり関わりを持っていなかったため、蒼斗さんと会うのを緊張気味だ。

それでも、じぃじを助けてくれたことは理解しているらしく、蒼斗さんが来ることを嫌だと言わなかった。
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