双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました

どうしてなのだろう？

焦っているようにも見える。早く蒼汰たちとの距離を縮めたいから？　この四年間、子育てに携われなかったことを申し訳なく思っている気持ちが強いから？

──それとも。

他に焦る理由が？

「蒼斗さん、あの……」

「ママ～！　あっちのラッコみたい」

「う、うん。行こうか」

蒼斗さんに疑問を投げかけようとした瞬間、蒼汰に手を引かれて歩きだした。その場に残された蒼斗さんは、ペンギンを見続ける優斗の方へと向かいなにか話しかけ始めた。

しばらくすると蒼斗さんと優斗は手を繋いでラッコのコーナーへとやってきた。少しずつ慣れてきたのか、優斗の表情も和らいできたように思える。

「ママ、ラッコみえないよ」

ラッコブースはとても人気があるようで人だかりができていた。ちょうど餌付けをやっているようだ。

「蒼汰、抱っこしたら見えるからこっちに来て？」

蒼汰を抱きかけると、ラッコが見えたようで蒼汰は嬉しそうにはしゃぐ。

そんな様子を見ながら蒼斗さんといる優斗に目を向ければ、そこには意外な光景が広がっていた。