双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
***

それから数週間が過ぎ、蝉の声が忙しく耳に響く季節となった。私たちの関係はいまだ続いていた。

「ママ~! つぎはいつスーパーマンにあえるの?」

保育園から帰ってきておやつを食べながら、蒼汰が私の顔を覗く。

「スーパーマンじゃなくて、蒼斗先生でしょ。先生はお忙しいから、次いつ会えるかはまだ分からないよ」

「え~! つまんない」

ぷぅっと頬を膨らませて蒼汰は不満げだ。

「つぎ、あおとせんせいにあったら、いっしょにしんかんせんのほんをよむんだよ」

その隣で優斗はそう言ってニコリと微笑んでいる。反応はそれぞれだが、何度も顔を合わせるうちにすっかりふたりは蒼斗さんのことが気に入り、会うのを楽しみにしている。

蒼斗さんから誘いがあるものの、互いの休みが合わずになかなか会えない日々が続いていた。
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