双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
「あまりお腹が空いてなかった？」

炭酸水のグラスを手にしながら、蒼斗さんが優しいまなざしをこちらに向ける。

「いえ。その……どんな内容の話なのか気になって」

「食事後にしようかと思っていたが、じゃあ食べながら聞いてくれるか？」

「はい」

コクンとうなずき、フォ―クでカルパッチョを口に運んだ。

「そろそろ柚希のご両親に挨拶に行きたいと思っているんだ」

え？

蒼斗さんのその言葉に動きは止まる。いつかはこんな話を言われるかもしれないと思っていたが、予想よりもだいぶ早かったことに戸惑いを隠せない。

「なによりもまずはご両親にとって大事な娘である柚希にすべてを背負わせてしまったことを謝罪したい。それから結婚前提の付き合いを許してもらいたいと考えている」

真剣なまなざしが私を捉える。

「でも、そんなことをしたらうちの両親が……というか父が」

激怒してひどいことを言って傷つけるかもしれない。そもそも、うちの父は私が未婚でひとりで子供を産むと言ったときに大反対した。

すぐに相手の男をここに連れてこいと怒り狂った過去がある。それを母と弟がうまく宥めてくれて、なんとか収めてくれたのだった。
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