双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
ふたりともすっかり蒼斗さんに懐き、蒼斗さんの前でも素を見せたりワガママを言うようになってきた今日この頃だ。

「それではよろしくお願いしますね」

「ああ。任せてくれ」

そんな会話を交わして家を出て仕事へと向かう。

通し勤務なので帰りは六時過ぎになる予定だ。今日の夕飯はなににしよう。家に帰ったら息子たちの〝お腹空いた〟攻撃が待っているに違いない。

ひとまず買い物だけは蒼斗さんが済ませて置いてくれるということなので、非常にありがたい。今日は蒼汰と優斗が好きなオムライスにでもしようかな。

旅館に着き、更衣室で着替え終えると頭を仕事モードに切り替える。

紅葉シーズンということもあり、連日お客様で館内は賑わっていてあっという間に時間が過ぎていく。

今日も目まぐるしく時間が過ぎていくだろう。

茶房で今日のランチメニューに使う野菜と魚介の下ごしらえを始めた。オープン時間までにやることはたくさんある。

時間との闘いである。

茶房チームはもう何年も一緒に働いているため、仲が良く連携もばっちりだ。

お昼のピーク時間を終えると、私は休憩に入った。

そして、休憩後は仲居さんのヘルプへ行き各客室を整えに周った。そして最後は夕食の配膳へ。

重いものを運ぶし階段の上り下りが何度もあり、かなり体力がいる仕事だが、お客様に特別な時間を提供できる素敵な仕事だと思っている。

なによりお客さまの嬉しそうな笑顔や、〝また来るよ〟と言ってくださるお客さまの言葉は私の活力になっているのだ。
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