双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
四人で過ごすことができた二十七回目の誕生日。

用意してくれた料理は今まで食べた中でいちばんと思うくらいに美味しくて、みんなが笑顔で幸せな時間を過ごすことができた。

こんな日を迎えることができるなんて夢にも思わなかった。

「片付けまでしてもらって本当にありがとうございました」

「これくらい当然だよ。ふたりとももう寝たのか?」

「ええ。興奮して疲れたようでぐっすりです」

蒼斗さんが夕飯の片づけをしてくれている間、眠そうにしている息子たちのお風呂を済ませ、寝かしつけてきた。

今日はいつもより眠りにつくのが早かった。一生懸命に準備をしてくれたから、きっと疲れたのかもしれない。

食事中もずっと興奮状態ではしゃいでいたし、彼らにとっても特別感に溢れていたに違いない。

空白の時間はもう戻れないし取り戻せはしない。だからこそ、これからは家族でたくさんのことを経験し時間を共有していきたいと切に願う。

「誕生日を覚えていてくれたのですね」

「好きな人の誕生日を忘れるわけがないだろう」

昔もそうだった。彼はいつも記念日を大切にしてくれていた。蒼斗さんが準備してくれたサプライズに喜んでいた自分を思い出した。

またこんな風に蒼斗さんに誕生日を祝ってもらえるなんて。嬉しさで頬が上気していく。
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