双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
気が付けば時刻は二十二時を回っていた。

キリがいいところでビデオ鑑賞を終え、お風呂に入ることにした。

一緒に入ろうと言われたが、恥ずかしいのでそこは全力で拒否。慌てふためく私を見て蒼斗さんがクスクスと笑いお風呂に向かっていった。

蒼斗さんがお風呂から上がったところで、続いて私もバスルームへと向かいお風呂を済ませた。

髪を乾かしお肌の手入れを終えリビングに戻ると、ソファーに座り本を読んでいた蒼斗さんの隣に腰を下ろした。

「なにを読んでいるんですか?」

「兵藤先生の最新作だよ」

「昔、一緒に居た頃もよく兵藤先生の本を読んでましたよね」

「ああ。兵藤先生の作品はいつも最後に思わぬどんでん返しが待っているから面白くてね。読んでいてワクワクするんだ」

「そうなんですね。読書タイム楽しんでくださ……」

「今日はここまで。それよりも……」

本を閉じてソファー横のサイドテーブルに置いてあった白い紙袋を私の前に差し出してきた。

「これは?」

「俺からのプレゼントだ。誕生日おめでとう」

「……ありがとうございます」

驚きながら受取り紙袋の中を覗くと、中にはピンクのリボンでかわいくラッピングされた細長い長方形の箱が入っていた。

「気に入ってくれるといいけど。開けてみてくれ」

「はい」

胸に高揚感を覚えながら箱を開けると、中にはピンクゴールドの華奢な腕時計が入っていた。私好みのかわいい時計に思わず笑みが零れる。
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