双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
[蒼斗side]

「この顔は反則だな」

フッと笑みが零れ、雪のように白く華奢な背中をそっと撫でた。俺の腕で安心しきった顔ですやすやと眠る柚希。

身も心も狂うほどの彼女の色香に溺れ、俺は感情のままに彼女を抱いた。久しぶりに感じた彼女の温もりは優しく心地よく、あの頃を思いだした。

もう少しだけここで寝かせてやろう。

愛を確かめ合ったあと、息子たちのところに行って四人で寝ようと思っていたが、柚希が眠りについてしまいここから動けずにいた。

彼女の寝顔を見ているだけで幸福で、愛おしさが募っていく。

柚希との出会いは運命だったと思っている。

あの日、桜色の風が舞うあの場所で彼女に出会い、彼女の素直で優しい人柄に惹かれ恋に落ちた。

今まで出会ってきた女性とは違い俺をアクセサリー感覚で見るのではなく、ひとりの男として見てくれた。

食事の趣向が一緒で、バドミントンや好きなアニメの話で盛り上がって、そんな俺の素の姿を見せられたのは彼女が初めて。

柚希といると心が安らぎ、楽しい。

そう思えた。
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