セカンドマリッジリング ―After story—
「私達、家族の意見よ。分かってるでしょう、それくらい」
わざとらしく家族を強調するのは、その中に颯真や涼真も含まれてると言いたいからだろうか? そんなはずはないと分かっていても、花那の心は真由莉の悪意ある言葉に何度も傷付けられる。
それでも感情のままに怒ってしまえば、真由莉達の思い通りになるだけなので花那は拳を強く握ってグッと耐えた。
「……」
「黙ってないでちゃんと現実を見て欲しいの。そろそろ花那さんには、自分に合うレベルの男性とお付き合いするべきだって理解してくれなきゃ困るのよ」
またその話に戻るのか。結局のところ真由莉は花那が颯真に釣り合わないから、自分から離婚をしたがるように仕向けたいらしい。離婚させてしまえば原因を花那のせいにしてしまうのは簡単だろうし、慰謝料だって払わずに済ませようという魂胆だろう。
普段なら何かと花那の様子を監視しようとする義母も、真由莉に協力するかのように全く顔を出さない。もしかしたら花那が離婚すると言うまで、この部屋から出すつもりがないのだろうか?
「颯真さんはそんな事を私に望んでませんし、私もそんな風に人を見ていません。だから真由莉さんの言うような釣り合いとかを考えて、離婚する気なんて欠片もありませんから」
「……っ‼ 花那さん、貴女ねえっ!」