「affair」

「うちの夫もそうだけど、花純ちゃんの旦那さんも、何もなければ、浮気とか不倫とかしないタイプだと思うけど。
私のように、きっかけを与えてあげたらいいの」


美織さんのように。


現在、美織さんの夫は若い女と不倫をしている。


それは、美織さんの策略で。


「美織さんのように、暫く夫に冷たくして。
頃合いを見て、清太に好意を持っている女性と二人になるようにしてみます」


そう告げると、美織さんは口角をあげている。


それは、美織さんが旦那さんに浮気をさせるのに使った手と、
殆ど一緒。



それから、私は清太に冷たく当たった。


その間も、週に一度程は結城先生と逢瀬を重ねた。


前迄は、その不倫を完全に隠していたけど。


現在は、ほんの少しだけ、それを匂わせる。


それは、清太を追い込む為に。



「なぁ、花純は本当に俺の事が好き?」


いつの頃か、清太はそう口にするようになった。


その度に、


「清太の事、好きだけど」


そう答えたけど、清太はそれでもいつも不安そうだった。


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