「affair」
あの同窓会以来。


今も週に一度のペースで結城先生とはラブホテルで逢瀬を重ねていて。


今日も、結城先生と会う約束をしている。


それは、清太が亡くなってから初めてで。


今日、結城先生から、その誘いのLINEを貰った時、一瞬、清太の事が浮かび。


躊躇ったけど。


それは一瞬で。


直ぐに、会いたいと返事を返した。


そして、職場のあるビルから出ようとする時だった。


スマホがLINE通話を着信して鳴っていて、その相手は、結城先生。


え、もしかしたら、今日はドタキャン?


そう不安になりながら、その電話に出た。



『沢田、あのさ、今日ごめん。中止』


「え、そんな。
結城先生今日は休みで暇だからって」


『俺の嫁にお前との事がバレて』


「バレてって…」


『俺らがホテルに入る所の写真。
さっき、突き付けられた。
前々から興信所に依頼してたみたいで』


「そうなのですね…」


『あんまり、驚いてないな?』


「いえ。結城先生こそ、平然としてる」


奥さんに浮気がバレたりしたら、
もっと焦ったりするんじゃないだろうか?



『お前に電話したのは、今から俺の家に来てくれないか?
お前も交えて、色々話し合いたいって、嫁も言っていて』


「分かりました」


不倫は、いつかこうやってバレるものなのだと思う。


ついに、その時がやって来た。



『じゃあ、待ってる。
俺の家の場所、知ってるよな?』


「はい。今から30分くらいで着くと思います」


そう言って、電話を切った。


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