「affair」

同窓会の会場になったのは、
U駅近くにあるイタリアンレストラン。


そのイタリアンレストランのオーナーが、高校三年の時のクラスメイトの本田君のお父さん。


だから、本日は元3年5組の同窓会で店内を貸し切りにしてくれた。


私は、現在派遣で近所の卸しの会社で事務仕事をしているので、17時30分には仕事が終わり。


18時スタートから、少し遅れたくらいで参加出来た。


「うわぁ、花純久しぶり!」


「あ、京花(きょうか)」


自分の名を呼ばれて、その相手を見ると、
それは高校三年の時仲が良かった京花。


京花とは今もLINEでは繋がっているけど、
会うのは数年振り。


高校卒業後、お互い違う大学に行き、二年くらいは時々会うような関係だったけど。


いつの頃か、京花とは時々LINEするくらいの関係に。


「沢田、久しぶり。
あ、今は高畑か」


そう、私の旧姓のさわだ、と呼ぶのは、このイタリアンレストランのオーナーの息子である、本田君。


「そう。今は私は高畑花純だから」


私はちょうど一年前、24歳の時に。


高畑清太と結婚をした。



「お前と高畑、当時から本当に仲良かったけど、まさか結婚するなんてなー」


そう、本田君は言うけど。


私は昔から、いつかこのまま清太と結婚するのだろうと思っていた。


清太とは、いわゆる幼馴染みで。


私が小学校へ上がると同時に、両親が新築の建て売りの一軒家を買い。


同じように、隣に建てられた家に、
清太の家族が直ぐに引っ越して来た。


清太は一人っ子で、私は妹が居るのだけど。


昔から、よくその三人で遊んだし、
同じ歳の私と清太はとても仲が良かった。


そして、中学に上がる頃に、清太から告白されて、付き合い出して。


今に、至る感じ。


そんな清太の事は子供の時から大好きだけど、
これが恋じゃないと知ったのは、
本当に私が恋をしたから。

< 3 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop