「affair」

その後は、時間が経つに段々と元クラスメイト達が集まる。


今回、ビュッフェで立食の形をとっているが、
みんな食べるよりも話す方に夢中。


今回、この同窓会は欠席者なく、全員が参加している。


私達の高校は私立で、偏差値も上の下くらいで。


みんな、そこそこいい所に就職したのだな、と、その雰囲気で感じる。



「けど、もう結婚してるのは、沢田だけだな。
まあ、もう高畑だけど」


そう言ったのは、クラスの男子で目立っていた坂巻君。


それにしても、さっきから同じような事を何度も言われて。


なんだか、みんなそうやってわざと沢田じゃなくて高畑だと言っているのか、と思ってしまう。


「昔から、清太は沢田の事好きだったもんな」


そう言ったのは、清太と仲が良かった志田君。


この人は、私を沢田と呼んでくれる。


「ほんと、クラスの女子達が結城先生にキャーキャー騒いでても、
花純だけは清太君だけ見てるって感じだったもんね」


京花には、ちゃんとそう見えていたんだ。


私の近くに居たこの子にそう思われているなら、きっと他の子にもちゃんとそう見られていただろうな。



この同窓会で、私が結城先生と話したのは、初めだけで。


その後、京花も交えて他の級友達と話した。


お酒が入っているからか、昔のちょっとした思い出話で、ケラケラ笑って。


そうしていると、あっと言う間に時間は過ぎて行く。



「じゃあ、俺はお先に失礼する」


遠くに居るのに、その結城先生の声がスッと耳に入って来る。


帰るんだ…。

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