「affair」
お互い、着ているものを全て脱ぎ捨てると。


結城先生は、ベッドボードにある避妊具を付けて、私の中へと入って来た。


私は今まで清太しか男性経験がなく、
だからこそ、よけいに清太と比べてしまうのだけど。


同じように私しか知らない清太と違い、結城先生は慣れているのが分かる。


結城先生がどれ程女性経験があるのかは分からないけど。


清太よりも断然気持ちよかった。



「沢田…」


私の上で、結城先生は腰を動かし、そして、私にキスを落として来る。


「結城…先生…」


私は必死で、それを求めた。




その行為が終わっても、熱は冷めなくて。


ベッドの中、腕まくらをしてくれる結城先生に抱き着く。


「今度は、もっとゆっくりと会おう」


そう言われ、それに、はい、と応える。


結城先生に、 またこうやって会えるんだ。


本当に結城先生が好きだから、
これは不倫なのだと、認めたくなかったけど。

これは、不倫なのだろうな。



「あいつ、浮気してるみたいなんだ」


その言葉に、え、と結城先生の顔を見る。


それは、何を考えているか分からない表情で。


結城先生の言うあいつは、奥さんの事だろう。


「月田先生が浮気なんて…。
ないですよ…」


月田先生を、思い浮かべるけど。


本当に、女優のように美人で。


結城先生よりも、年齢は三つ程上だったはず。


「結城先生は、それで自棄になって、私と」


それで、私を抱いたの?


「さぁな」


それを、肯定も否定もする事はなかったけど。


否定をしない時点で、それは肯定なのだろう。





< 9 / 26 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop