【電子書籍化】虐げられたうさぎ令嬢は、獣人の国で寵愛される。
「この話お受けしたいと思います。私、セシール・バーニューデスはカスティラン帝国への嫁入りを謹んでお受けいたします」
役に立てないと思っていた私が役に立てるなら、きっと帝国へ嫁入りすることだ。
「そうか、わかった。ありがとうセシール嬢」
そう陛下が言えば、いつの間にかセベお兄様が入ってきた。
「セベ。午後から休みを出そう、愛しの妹セシール嬢と過ごすがいい。其方らは話せていないことがあると思うのだ」
「はい?」
「すまんが、セベがセシール嬢を溺愛していてウサギの花姫と呼ばれていることも話してしまってなぁ……ははっ」
「……何を言ってくれてるんですか」
お兄様は陛下に対し低い声を出し睨みつけている。侮辱罪とかにならないのかな、これ……
「まぁ、怒るな。セベよ、許せ」
「はぁ……いいですよ。セシールがお嫁に行く前に話したいって思ってましたので」
そう言ったお兄様は私をいきなり横抱きにすると「では!」と陛下に向かって言いこの部屋からでた。私は反応する間も無く、彼に抱えながらきた道を運ばれて薔薇が綺麗な庭園に連れて行かれた。