【電子書籍化】虐げられたうさぎ令嬢は、獣人の国で寵愛される。
***
「お待ちしておりました、セシール様。遠いところありがとうございます」
「は、はい。こちらこそお出迎えありがとうございます……」
領地から王都までは一度宿で休みを取って一日で王都入りし、王宮には二日後である今日到着した。
王宮の門へ到着し馬車から降りると、迎えてくれたのは王宮魔法騎士団の制服を着たまさかのお兄様とメイド服を着た王宮侍女さんだった。
「陛下との謁見ですが、陛下専用の大客間での挨拶になります」
「はい」
これは家族だと知られたくない? でも、家名でわかっちゃうよね……? 職場だから?
「……セシール、失敗はするな。俺に泥を塗るなよ」
「はい、分かっています」