好きな場所

お店の扉を開けるとちょうどお昼のタイミングのせいか店内はお客さんで溢れていた。

これは少し待たないとかな。
午後に予定があるわけでもなく、お腹もすごい空いてるってわけでもないから特に問題はない。

店員さんが慌ただしそうに駆け寄ってくる。

「お待たせ致しました、2名様ですか？」

「「いえ」」

店員さんへの返答が自分ひとりじゃないことに驚いて思わず振り返る。
男の人が立っていた。びっくりしすぎて心臓がバクバクしたけど顔に出したら失礼だと思って抑える。
2人立っていたから2名って思われたのかと冷静に納得する。

「失礼しました、お席はカウンターでもよろしいでしょうか？」

「はい、カウンターで大丈夫です」

店内にはカウンター席とテーブル席がある。
1人で来てるから正直どっちでも良くて混んでるならなおさらだ。

店員さんの丁寧な接客もここが好きな理由のひとつである。
< 8 / 15 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop