好きな場所
「後ろのお客様もカウンターでよろしいでしょうか?」
「え、あ、はい」
自分に話しかけられるとは思っていなかったであろう男の人が慌てて答える。
「お二方ともご案内させていただきます」
店員さんに案内された席はカウンターの隣同士だった。
正直、すごく気まずい。
あんな微妙なやり取りがあった後に隣の席はキツい。
けど店内もお昼時で混んでるから文句も言えない。
とりあえず座ってメニューを開いて、ちょうど水を届けに来た店員さんに注文をする。
「あの、僕も注文お願いします」
注文が終わったタイミングで隣に座った男の人も店員さんを呼び止める。
隣の人も少し気まずそうな気がする。
なるべく早く食べて外に出ようかな。
店員さんがいなくなると沈黙が続いてより気まずさが増した。