身ごもり一夜、最後のキス~エリート外科医の切なくも激しい執愛~
「まだ人妻じゃないよぉ」
「はぁ……門脇先生が旦那さんだなんて。あんな人に毎晩求められたら、幸せすぎて死んじゃいそう」
口をつぐんだ。
嫌悪感が走ったわけじゃない。
英知先生とは何度かふたりで食事に出掛けたことがある。
それは婚約を見据えたお見合いのようなもので、あちらは笑顔で楽しそうにしてくれたけど事務的だった。
暗黙の了解で、正式に婚約するまでは体の関係にはならないという彼の意志を感じた。
私は相手が英知先生でなければ、アキくんへの恋心を隠して結婚などできなかっただろう。
つらく悲しいだけの未来ではなく、恋愛ではなくても共に歩んでゆけると思えた人だ。
それでもあの夜が最後だったと思うと、アキくんへの想いが溢れてしまう。
「ところで星来ちゃん、顔色悪くない?」
「え? そうかな」
汗を服のをやめ、覗き込む真緒ちゃんと向き合った。
彼女にペタペタと頬や額を触られる。
「なんとなく。最近疲れた顔してる」
「たしかに……疲れやすくなったかも。暑さのせいかな」
「はぁ……門脇先生が旦那さんだなんて。あんな人に毎晩求められたら、幸せすぎて死んじゃいそう」
口をつぐんだ。
嫌悪感が走ったわけじゃない。
英知先生とは何度かふたりで食事に出掛けたことがある。
それは婚約を見据えたお見合いのようなもので、あちらは笑顔で楽しそうにしてくれたけど事務的だった。
暗黙の了解で、正式に婚約するまでは体の関係にはならないという彼の意志を感じた。
私は相手が英知先生でなければ、アキくんへの恋心を隠して結婚などできなかっただろう。
つらく悲しいだけの未来ではなく、恋愛ではなくても共に歩んでゆけると思えた人だ。
それでもあの夜が最後だったと思うと、アキくんへの想いが溢れてしまう。
「ところで星来ちゃん、顔色悪くない?」
「え? そうかな」
汗を服のをやめ、覗き込む真緒ちゃんと向き合った。
彼女にペタペタと頬や額を触られる。
「なんとなく。最近疲れた顔してる」
「たしかに……疲れやすくなったかも。暑さのせいかな」