兄の子を妊娠しました。でも私以外、まだ知りません 〜禁断の林檎を残せるほど、私は大人じゃないから〜
彼の母親は今
ほとんどこの家にいて
私の世話をする。
「赤ちゃんの具合はどう?」
「大丈夫だと思います」
毎日、朝起きる度
挨拶がわりに
赤ちゃんの具合を
確認する。
「お腹はたくさん蹴ってる?」
「あ……はい……」
嘘だ。
ちっとも私の中で
ぴくりとも動かない。
「性別は、女の子なんでしょう?」
「……だと、思いますと言われました」
「ふふ。私女の子を育ててみたかったの」
これも、嘘だ。
私は、結局ほとんど
病院に行くことは
できなかった。
だから、本当の性別は
知らない。
女の子はぎりぎりまで
分からないという
ネットの情報で
どうにか誤魔化している。
彼の母親は
ふわりと良い香りをさせながら
私のお腹にそっと耳をあてる。
「寝てるのね」
「そうですね」
「ふふ。早く会いたいわ」
「……そうですね」
これも、彼の母親が
私に会う度に行う
儀式みたいなもの。
そうして、必ず最後に
この人はこう言う。
「出生前検査
私がお金を出すから
行ってきてくれない?」
と。
ほとんどこの家にいて
私の世話をする。
「赤ちゃんの具合はどう?」
「大丈夫だと思います」
毎日、朝起きる度
挨拶がわりに
赤ちゃんの具合を
確認する。
「お腹はたくさん蹴ってる?」
「あ……はい……」
嘘だ。
ちっとも私の中で
ぴくりとも動かない。
「性別は、女の子なんでしょう?」
「……だと、思いますと言われました」
「ふふ。私女の子を育ててみたかったの」
これも、嘘だ。
私は、結局ほとんど
病院に行くことは
できなかった。
だから、本当の性別は
知らない。
女の子はぎりぎりまで
分からないという
ネットの情報で
どうにか誤魔化している。
彼の母親は
ふわりと良い香りをさせながら
私のお腹にそっと耳をあてる。
「寝てるのね」
「そうですね」
「ふふ。早く会いたいわ」
「……そうですね」
これも、彼の母親が
私に会う度に行う
儀式みたいなもの。
そうして、必ず最後に
この人はこう言う。
「出生前検査
私がお金を出すから
行ってきてくれない?」
と。