兄の子を妊娠しました。でも私以外、まだ知りません 〜禁断の林檎を残せるほど、私は大人じゃないから〜
出生前検査とは
生まれる前に
何か異常がないかを
調べる検査だと
ネットに書いてあった。

私はこの言葉を
彼の母親に言われる前から
このことを知っていた。
誰よりも
その可能性があることを
知っているから。

だからこそ
私はこの女の人に
怯えるようになった。
無意識にこの人は
感じているのではないかと
思った。

彼と私が
禁忌的な関係であり
この赤ちゃんが
その罰を受ける確率が
高いということを。

「そのうち行きますね」

私は適当な笑顔を作り
誤魔化すことを覚えた。

「約束よ。どんな結果がでても
準備をしていれば大丈夫だから」

この女の人は
圧をかける笑顔で
私の心に呪いをかけ続ける。

血がつながってしまった
私と彼の赤ちゃんには
異常があるかもしれないという……。
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