絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
《ふみゃぁあっっ(なのに、わたしのヤマネコライフが『お気楽』とは程遠いサバイバルなのは、なんでだー(怒、怒)!)》
 わたしは涙をちょちょ切れさせて、朝ごはんを調達すべく寝床の穴を飛び出した。

 わたしは森の中を歩きながら、朝ごはんになりそうな木の実を探していた。
 ……あ! 椎の実めーっけ!
 落ち葉の上にコロン、コロンと仲良く並んだ椎の実に、ニコニコで前足を伸ばす。肉球のおててにふたつの実をキュッと握り、ゴクリと唾を飲み込んだ。
 へへへっ、早く食べたい! でも、もっと落ちてないかな~?
《ニャーォ(おい、見ろよ。またクズが木の下を漁ってやがる)》
《ニャァー(ヤマネコのくせにネズミの一匹も捕れないってんだから、とんだ役立たずもいたもんだ)》
 さらなる椎の実を求め、落ち葉をガサガサしていたら、ヤマネコ仲間の意地悪な声が聞こえてきた。
 チラリと視線を向けると、みんなは朝ごはんの真っ最中のようで、口の周りに血を滴らせながら大きなネズミを分け合って食べていた。
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