絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
ここで、ずっと伏し目がちにしていた少女がゆっくりと顔を上げ、俺に視線を向けた。
宝石のような紫の瞳とぶつかり、無意識に喉が鳴った。縫い留められてしまったように、少女から目が離せない。
歴戦の将として幾つもの修羅場をくぐり抜け、腕自慢の猛者らを相手に一瞬の油断が命取りの勝負に勝ち抜いてここまできた。その俺が、今は脇をがら空きにしたまま立ち尽くし、食い入るように少女を見つめていた。少女もまた、逸らすことなくその瞳に俺の姿を映していた。
どれくらい、そうしていただろう。ほんの少し正気を取り戻してきた俺は、カラカラになった唇を開いた。
「……君はどうしてここにいた? ひとりで来たのか?」
「ひとりです。風を避けるのに入らせてもらって。……勝手にごめんなさい」
俺の問いかけに少女は肩を縮め、申し訳なさそうに答えた。
耳にして、胸に深い安堵が広がる。回答を聞く限り、少女が裸体でいたのは、かどわかしや男との逢瀬といった理由ではなさそうだった。疑問は尽きないが、その一点に関しては、ホッと胸を撫で下ろした。
宝石のような紫の瞳とぶつかり、無意識に喉が鳴った。縫い留められてしまったように、少女から目が離せない。
歴戦の将として幾つもの修羅場をくぐり抜け、腕自慢の猛者らを相手に一瞬の油断が命取りの勝負に勝ち抜いてここまできた。その俺が、今は脇をがら空きにしたまま立ち尽くし、食い入るように少女を見つめていた。少女もまた、逸らすことなくその瞳に俺の姿を映していた。
どれくらい、そうしていただろう。ほんの少し正気を取り戻してきた俺は、カラカラになった唇を開いた。
「……君はどうしてここにいた? ひとりで来たのか?」
「ひとりです。風を避けるのに入らせてもらって。……勝手にごめんなさい」
俺の問いかけに少女は肩を縮め、申し訳なさそうに答えた。
耳にして、胸に深い安堵が広がる。回答を聞く限り、少女が裸体でいたのは、かどわかしや男との逢瀬といった理由ではなさそうだった。疑問は尽きないが、その一点に関しては、ホッと胸を撫で下ろした。