絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 レリウスさまが帰ってくるまで、ずーっとぐるぐると考えていたけれど、結局いいアイデアは思いつかなかった。

 さらに数日が経ったある日の朝。
 わたしは朝食を終えると、レリウスさまのお膝に乗って、ブラシをかけてもらっていた。
 レリウスさまが出勤するまでの僅かな間だけれど、レリウスさまと一緒に過ごせるこの時間が、わたしは大好きだった。
 う~ん、いい気持ち……ん?
 夢心地でうつらうつらしていると、背中の右側から半分ほどブラシをかけ終わったところで、レリウスさまの手がピタリと止まってしまう。怪訝に思って首を回して見上げたら、レリウスさまはボーッと宙の一点を見つめていた。
《ふみゃ(レリウスさま?)》
「ああ。すまん、少し考えごとをしていた」
 わたしの声にレリウスさまハッとした様子で答え、ブラッシングを再開した。だけどレリウスさまは、明らかに気もそぞろ。
 ……背中は気持ちいいけれど、これじゃなんだか寂しいよ。
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