絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 最近のレリウスさまは、こんなふうに突然動きを止めたかと思えば、遠い目をしてなにごとか考え込んでいることが多かった。
《みゃー(ねぇレリウスさま、お疲れなんじゃない? お仕事、あんまり無理しないでね)》
 わたしは伸び上がって、レリウスさまのほっぺのあたりを労わるようにペロペロした。
「はははっ、くすぐったいぞルーナ。お前はかわいいな」
 へへへっ。そりゃどうも。
 首回りをわしゃわしゃとなでながら告げられて、うれしさにふりふりと尻尾が揺れる。
 レリウスさまはそんなわたしの様子をジッと見つめていたけれど、途中でなにか思い出したようにうっとりと目を細くして口を開いた。
「彼女も奇跡のようにかわいかったな……。また会いたいものだ」
 んっ!? 『彼女』って、どういうこと!? しかも『会いたい』ってなに!?
 聞き捨てならない台詞を耳にして、ご機嫌から一点、不快感に尻尾がビリリと尖り、全身の毛が逆立った。
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